
医局長・助教
本間 健人
卒業大学:北海道大学
父の背中を追い、自然と形成外科へ
幼い頃から形成外科医である父の姿を見て育ちました。学生時代は消化器内科や脳神経外科にも心が惹かれたものの、「形と機能の再建で患者さんの人生をより良いものにできる」という形成外科の魅力に惹かれ、父親と同じ形成外科に決めました。
マイクロサージャリーとの出会い――鹿児島市立病院での日々
関連施設の鹿児島市立病院で数多く経験した切断指再接着手術 は直径1 mmにも満たない血管と神経を顕微鏡下に吻合する手術です。最初は上手くいかないこと もありましたが、だんだんと生着するようになり、マイクロサージャリーの魅力に取り憑かれました。
テキサス大学(UTMB)での研究留学――新たな価値観との出会い
医局の人事により、2021年から2023年までテキサス大学医学部(UTMB)麻酔科へ研究留学の機会をいただきました。ちょうど新型コロナウイルスの流行が続くなかでの渡米でしたが、家族とともに過ごしたアメリカ生活は、かけがえのない貴重な経験となりました。UTMBでは、羊の敗血症モデルで間葉系幹細胞由来エクソソーム(MSC-EVs)の研究に携わり、再生医療の可能性を肌で感じることができました。この研究成果をもとに学位(博士号)を取得することができました。アメリカで異なる文化に触れ、様々な経験をした事で、改めて日本文化の良さ、 日本社会の素晴らしさを実感する事が出来ました。
形成外科医として――より綺麗な瘢痕で治したい
どんなに深い傷でも、我々の縫合ひとつで限りなく綺麗で目立たない瘢痕へ導く事が出来ます。この技術こそが他科には真似できない形成外科の凄みです。常にscarless healing(瘢痕の少ない治癒)を意識し、より綺麗な瘢痕で治るよう1針1針丁寧な縫合を心掛けています。
生涯をかけて、さらに上手い形成外科医へ
専門医資格は一度更新しましたが、残念ながら形成外科専門医になったからといって自動的に手術が上手くなるわけではありません。合併症を起こさず、標準的な手術で確実に良い結果を出し続ける──この“当たり前”を一例一例積み重ねることこそが、上達への最短距離だと信じています。だからこそ 「まだまだ手術が上手くなりたい」 と、未だに研鑽の日々です。大学ならではの難しい症例にも果敢に挑戦する事が生き甲斐であり、大学病院で形成外科をする面白さだと思っています。

形成外科に興味を持つ皆さんへ
形成外科の世界は、頭の先から足先まで、小児の先天異常から高齢者の足壊疽、外傷治療や悪性腫瘍切除後の 再建手術、美容医療、そして最先端の再生医療まで――実に幅広く奥深い領域です。SNSなどでは美容医療が注目されがちですが、それは形成外科のほんの一部に過ぎません。まずは一度、この奥深い世界に足を踏み入れてみませんか。東京女子医科大学形成外科ではともに学び、ともに成長していける仲間を心から歓迎します。
※掲載スタッフの役職・仕事内容などは、2025年時の情報です。